北朝鮮の「新型ミサイル」「ステルス艇」に不吉な予感


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新型対艦ミサイルを試射する北朝鮮の艦艇

北朝鮮海軍にとっての最前線は、軍事境界線の西側海上に引かれた北方限界線(NLL)だ。北朝鮮はこれを南北の境界と認めておらず、韓国海軍との間で何度も砲火を交えてきた。

NLLでの軍事衝突は、南北の軍事力バランスの変化がひとつの要因となっているとの見方がある。

そもそも北朝鮮は、1953年8月にNLLが設定されてからしばらくの間、これについて特段の意義を唱えていなかった。朝鮮戦争で海軍がほとんど壊滅し、NLLの北側海域すらも実効支配する術を持たなかったからだ。

武力衝突の連鎖

しかし1960年代に入り、北朝鮮海軍はまずソ連製の魚雷艇を、続いて高速ミサイル艇を数十隻導入。1973年には、当時の韓国海軍を凌駕するその戦力をもって、NLLの無効を訴え武力示威に打って出る。北朝鮮艦艇によるNLL侵犯はこの年だけで43回に上り、韓国は「西海事態」と呼んで海軍力増強を急いだ。