北朝鮮アートにまつわる「外貨」と「宗教」と「悪いウワサ」


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万寿台創作社が手掛けた彫刻。抗日パルチザンをモデルとしたプロパガンダ作品だ

?そうしたプロジェクトの中で有名なのが、セネガルの「アフリカ・ルネッサンスの像」(2010年完成)だ。首都ダカールを見下す丘の上に立つ高さ50メートルの巨大な像で、ブロンズ像としては米国の「自由の女神」を抜き、世界一の高さだ。万寿台創作社はこの像の建設のため、150人のスタッフを現地に派遣。20万ユーロを稼いだという。

いまのところ1件だけだが、先進国からの受注例もある。ドイツ・フランクフルト市が2005年、第2次大戦中に焼失したアールデコ調の大型噴水台の復元を依頼したのだ。

この件について報じた米誌「ビジネスウィーク」電子版(2013年6月6日付)のレポートによれば、1910年に制作された噴水台は図面が失われており、手掛かりは古い写真だけ。それをもとに復元するためには、現代アートの歩みに背を向け、ひたすら写実主義にこだわってきた北朝鮮の技術が必要だったという。

一方、万寿台創作社については、ときに良からぬ噂も聞く。