「ヤクザと在日」の語られざる真実…武闘派の隆盛とバブル紳士の台頭


不動産価格が毎日のように上昇する中では、一日も早く土地を仕入れることが大事だ。銀行のグループ会社や上場デベロッパーが地上げに手を染め、その現場を担ったのが「スピード=腕力」に定評のあるヤクザ組織だった。

そして、当時暗躍したバブル紳士たちの中心に、ヤクザとつながる在日人脈がいたのもまた事実だ。

在日ヤクザの一部は、政治家人脈にも食い込んだ。筆頭に名前が挙がるのは町井久之だろう。町井は、本名を鄭建永という。

最重要パートナー

1923年、東京に生まれた町井は戦後、在日を中心に1500人の無頼漢を糾合し、東声会会長として名をはせた。政界の黒幕・児玉誉士夫と昵懇であり、日韓国交正常化の立役者だった岸信介とも接近した。