清原和博被告の覚醒剤はどこから来たのか? 対日シャブ密輸ルートの源流をたどる


「日本への覚醒剤密輸ルートは、1970年代は主に韓国から、80年代は台湾、90年代には中国に移った。その次が北朝鮮だ。因果関係は分らないが、民主化や経済開放の推移と連動しているみたいだ」

周知の通り、覚せい剤は戦前の日本において、抑うつ症状やナルコレプシー(突発的で強い眠気の発作を主な症状とする脳疾患)の治療薬として市販されていた。そして戦中には、兵士の士気高揚や軍需工場労働者の作業能率の向上を目的に大量生産される。

敗戦後、軍部保有の覚せい剤が市場に放出され、「第1次覚せい剤濫用期」が始まった。放出品が底をつくと公然と工場生産されるが、1951年に「覚せい剤取締法」が施行されると、国内の生産拠点は一掃されていく。

戒厳令の時代

そして覚せい剤の仕出し地は韓国―台湾―中国と移り変わるわけだが、それぞれの時代背景を比較してみると、共通点のあることが分かる。