北方領土交渉が一筋縄ではいかない事情


70年以上解決策が見いだされない北方領土問題。12月15日から行われる日ロ首脳会談で具体的な交渉はスタートするのか。真珠湾訪問など、何かとサプライズ好きな安倍官邸に、北方領土返還に向けてのサプライズ策はあるのか。アメリカでトランプ氏が次期大統領に決まり、世界はドラスティックに動き始めそうだ。注目が集まる中、長年にわたり民間の立場からロシアとの交流を続けている木村三浩・一水会代表(60)に首脳会談の意義などを聞いた。(藤月京)

まず初めに、「本格交渉のスタート」という意味では、12月15日から安倍晋三首相の地元である山口県長門市で行われる日ロ首脳会談が、非常に重要な会談であるということに間違いはありません。いわば、これまでの交渉は前哨戦にすぎず、これからがまさに、日ロ平和条約締結とその後の北方領土返還問題の解決に向けた正念場となるのです。

ロシア報道一色が招いた悲劇

しかし実際のところ、今回の会談で動きが出るのかどうか。