北朝鮮アートにまつわる「外貨」と「宗教」と「悪いウワサ」


ソウル市立美術館が今年、北朝鮮アートの展示を計画している。韓国のニュースサイト、NEWSisが7日、同美術館のキム・ホンヒ館長の話として報じた。

記事によると、北朝鮮アートの展示は、朝鮮半島の日本からの独立70周年を記念して企画された。7月21日から9月29日まで、北朝鮮出身の作家の絵画などを展示。中でも目玉になりそうなのが、北朝鮮の美術団体である万寿台(マンスデ)創作社の作品群だ。

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万寿台創作社に所属する作家の作品

1959年に設立された万寿台創作社は、平壌美術大学卒などのエリートを中心に、1千人のアーティストを含む4千人のスタッフを擁する。金日成・正日・正恩氏らの肖像画制作はこの集団が一手に担っており、彼らを「神格化」する上で重要な役割を果たしてきた。

そんな万寿台創作社も、国の経済難を受けて外貨稼ぎに励んでいる。中国にギャラリーを設け、イタリア資本とともに絵画のネット販売もしている。「Mansudae Art Studio Gallery」というウェブサイトには、北朝鮮のアーティスト百数十人の略歴と、風景がや静物画などの画像が掲載されている。ただ、作品の値段は掲示されておらず、購入希望者は個別の商談が必要だという。

ほかにはアフリカ諸国から、国家指導者の権威を高めるための大規模建造物も受注している。平壌市内にある「チュチェ思想塔」や「凱旋門」の建設実績が買われたのだ。