こうした危険極まりない出来事は、どうして立て続けに起きるのか。背景にあるのは局地的な軍事バランスの変化と、それに影響された当事者(軍人)たちのマインドの変化だ。韓国の軍事アナリストが、次のように分析している。
「1980年代に入るまで、この海域は北朝鮮海軍の独り舞台だった。ソ連製の高速艇と対艦ミサイルに対抗できる装備が、韓国側になかったからだ。しかしその後の経済発展を受けて、形勢は完全に逆転した。優れた装備を持つ韓国軍は北の艦艇を何度も撃破した。その報復として、北は得意の潜水艦作戦で天安艦を沈めた。装備の変化が危機のエスカレーションを呼んでいるのだ」
金正恩第一書記は海軍の視察時に自ら搭乗するなど、潜水艦戦力を重視する姿勢を見せている。正恩氏にとって新型潜水艦は、切り札としての意味を持っているのかもしれない。