清原和博被告の覚醒剤はどこから来たのか? 対日シャブ密輸ルートの源流をたどる


その最大の理由は、韓国国内では覚せい剤の濫用実態がほとんど認められなかったからだ。

日韓の覚せい剤密輸ルート、いわゆる「コリアン・コネクション」を追った『恐怖の覚せい剤―西日本からの報告』(NHK取材班・日本放送出版協会)によれば、韓国に覚せい剤の密造技術を持ち込んだのは、大阪にいた在日韓国人であるとの説が有力だという。製薬の町・大阪の道修町で働いていた韓国人技術者が戦後失業し、故国へ帰ってから覚せい剤の密造を始めたというのだ。

日本では1970年代から80年代にかけて、多数の在日韓国人が覚せい剤密輸の罪で摘発されている。そうした事実から見て、コリアン・コネクションの誕生に在日韓国人が深く関与していたのはまず間違いない。

ヤクザの役割

しかしその経緯は、「食い詰めた失業技術者が故国へ持ち帰った」という単純なものではなかったように思える。