北方領土交渉が一筋縄ではいかない事情


まずはその歴史的な検証が先で、オバマ大統領に対する外交的な儀礼のために行くような類のものではありません。

私は日ごろから、「安倍首相の対米関係は従属的だ」と批判的に見ていますが、日ロ首脳会談はぜひとも是々非々でアメリカの顔色を気にせずに日本の独自の立場から推し進めていってほしいと願っています。繰り返しますが、対ロ関係については安倍首相の姿勢を十分に理解し、全面的に支持していきたいと思います。ぜひとも本領を発揮し、真の国益の観点から平和条約締結、北方領土問題解決にこぎつけてほしいと思っています。

【北方領土返還をめぐる日ロ両国のこれまでの交渉】

■1945年8月9日
ソビエト連邦(ソ連、現ロシア)が日ソ中立条約(1941年4月署名、有効期間5年)を無視して、宣戦布告のうえ千島列島に侵攻。国後・択捉・歯舞・色丹の四島をソ連に編入。

■1951年 サンフランシスコ講和条約
第2条C項には、「日本国は、千島列島並びに樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する」(抜粋)と明記される。
※ソ連はサンフランシスコ講和条約に署名しなかった。