北方領土交渉が一筋縄ではいかない事情


日ソ共同宣言の時は冷戦下にあり、当時のアメリカのダレス国務長官は日ソ関係の修復を警戒し、日本が二島ではなく四島一括返還論を要求しない限り沖縄を返還しない、という恫喝をしたとも言われています。北方領土問題は戦時中のヤルタ密約、戦後は冷戦下のロシアとアメリカの思惑に翻弄されてきた面もあります。今こそ、日本は当事国として独自の利益を考えた外交を進めることが大切なのです。

現在の政治状況からみても、強固な政権基盤を持つ安倍首相とプーチン大統領の在任中の「今」が交渉を進めるチャンスです。しかも2人はこれまでに十数回も会談し、信頼関係も出来ています。そうした意味でも「今」が絶好の機会なのです。

トランプ「やめる」宣言

もう一つ、好機だと思えるのはアメリカ外交の変化の兆しです。