「みずほスキャンダル」の深層


「警察に対する働きかけは、以前から行っていました。しかし暖簾に腕押しで、なかなか動こうとしなかった。警察は、みずほには責任の及ばない『個人の犯罪』として立件するための道を模索していたようです」

事件の構図は、みずほ銀行本店で審査第二部審査役の地位にあった及川が、みずほキャピタルが実際に進めていた「ぎょうせいの株買収スキーム」をネタに投資家に近付き、月利3%という常識外れの利率を提示して数千万から億単位のカネを騙し取るというものだった。しかも、及川は投資家をみずほ本店に招き、応接室で投資話の説明を行っていた。

さらに、及川の言動を不審に思った投資家からの電話での問い合わせに対し、みずほの担当者は「当行とはいっさい関係ございません」といった類の、木で鼻をくくったような対応に終始。徹底的な社内調査を行って当然のところ、逆に責任逃れを繰り返して事件の発覚を遅らせている。常識的に見て、みずほの管理責任は逃れられるものではない。