たとえ不動産価格が高騰しても、地元が中国マネーで潤っていればまだいい。しかし、実態はそうなっていないのだ。 「たしかに、中国人向け高級ヴィラの建設には巨額の資金が投じられていますが、分譲で得られる収益は中国本土のデベロッパーに還流し、施工で生まれた利益の大半はソウルの大手建設会社の取り分になってしまう」(同)
中国人向けの高級ヴィラとしては、すでに分譲の進んでいるものに、「ラオンプライベートタウン」(471世帯/事業規模2708億ウォン)、「アデンヒルリゾート」(372世代/同2488億ウォン)、「緑の済州リゾート」(324世代/同2562億ウォン)があり、 これらだけで、不動産投資移民制度により誘致された外国人投資総額の80%を占める。
これらのヴィラはいずれも、中国人のみを入居対象者として開発されたものであり、分譲が完了すれば、中国人富裕層が集住する「中国人村」が出現することになる。 また、これらに加えて新たなリゾート施設の開発も進んでおり、地元の市民団体などが乱開発による景観破壊への憂慮を表明している。
ブランド品の売り上げはサムスンに
「街中では、新羅免税店がブランド目当ての中国人観光客で連日ごった返しているが、あそこはサムスン系列。カネは地元を素通りしてソウルに行ってしまうのです」(同)